2016年1月19日火曜日

私の悪いクセ(アドリブ)

かように、私には、悪いクセがある。
何かパネラーや講演、プレゼンを依頼されて、スライドなどを仮に用意していっても、話はあっちへ行ったりこっちへ行ったりで、ストーリー通りにいったことがない。

このブログも、本来は、前回の続きのはずなのだが、その前に、また違う話になってしまいそうだ。

昔話をするのは好きではありません。過去は捨てられた。思い出すことに意味はない。

ただ、今朝起きて、ぼんやりと思ったことの一つに、「まあ、よくこれだけたくさんのソフトウェアを日本のマーケット用にローカライズしてきたなぁ」という思いだった。

ローカライズというのは、ただ翻訳すれば良いというほど単純なものではない。昨今は開発ツールが進化したため、はじめから各国語のリソースを用意しておけばよいが、昔はそういう仕組みになっていなかった。さらに言えば、他人が書いたコードを解析して調整していくなんて、気持ちの良い仕事であるはずがない。それはさておき。

一番の問題点は2バイト文字の取り扱い。次に、日本文化への適合。

一つの例をあげると、あるとき、S 社から ACT という製品名の、当時 PIM (Personal Information Management) と言われていたジャンルの英語プログラムの日本語化を依頼された。

渡されたコードは基本的に C で書かれていたので、気楽に受けた。それでも、文字は1バイト文字にしか対応しておらず、従って、ワープロ機能などの調整はかなりの労力を要した。

もっと参ったのはコンタクトデータベースのソーティング(並べ替え)の部分だ。書き直せばよい部分は突き止めたが、辿り着いたその場所は、なんと、当時まだ出たばかりの Z68000 のアセンブラで記述されていた。あの時の「絶望感」は今もはっきりと覚えている。

そもそも68000の資料がない。知人を頼ってなんとかそれを手に入れて、必死で作業した。時間がない中でのトライ&エラーの連続。

結局、完成までは、公言した通り、2週間で仕上げたけれども、その間は、幸い季節が夏だったこともあり、オフィスの床にダンボールを敷いて、ずっと泊まりこみの日々だった。近所に銭湯があったのは助かった。

そんなようなことがいくつもあり、今の開発環境を見るにつけ、うらやましい限りだ。

反面、便利になりすぎて、アプリは作れてもコンピュータの動作原理を理解していないプログラマも見かけるけれど、もう、それはそれでいいのかもしれない。時代が違うのだ。

ただ、欧米では、幼稚園のころからすでに「コンピュータの仕組みとプログラミング」を教えているところが増えてきているのはどういうことだろう。

人工知能、脳科学、などなど、未知の分野でますますコンピュータパワーが必要とされる時代が来ていることを意味しているのだろうと思う。

それにしても、コンピュータの、基本的アーキテクチャが変わらない限り、劇的な変化はなさそうだ。

そんな中で量子コンピュータの実用化の話が現実味をおびて浮上してきている。その時、本当に、劇的な変化が起きると、なかば確信している。

今は、ちょっとした閉塞感、行き詰まり感があるけれど、階段の踊り場にいるような段階であって、遠からず、コンピュータそのもののあり方が変わると思う。

それをどう使うか。そこがまさに人間の「叡智」を試される時だと感じる。

話が脱線しましたが。
2016/01/19
- MK

2016年1月18日月曜日

前回の続き... (放浪の記録)

そのパネラーの方は、モバイルの危険性について訴求されていた。
iOS も例外ではなく、
「ほら、こうすれば、あなたの名前どころか、あるサイトへの Login ID や PW まで平文のまま保存されているのがわかります。もし、これをハックされたらどうしますか?」
というドキッとする内容だった。

セキュリティの問題には、終わりがない。
古来、暗号化と解読が歴史を作ってきたように(それはサイモン・シン先生の書かれた The Code Book に詳細に記載されています)、どこまで行っても守る側と破る側とのせめぎあいは続くと思う。

今日のように、 IT による情報ネットワークがインフラとして定着した場合、そのセキュリティの重要性は尋常ではない。

私ごときが言うべき言葉ではないことを承知の上で書くと「国益にかかわる問題」と言える。

 この話はいったんここで区切っておいて、そう、6月以降、7月の状況について記述したく思います。

以下、次回に続く。

2016/01/18
- MK

2016年1月17日日曜日

社長ブログ再開宣言

最後に書いた日付を見ると、なんと、2015/04/19 になっている。

同年 04/09 には「必ず毎日書く!」と宣言しておきながら、2週間後からパッタリ止まってしまっている。

よくないですね。実によくない。言ったことを実行しないのは全くよくない。

言い訳をさせてもらえるとすれば...

ちょうどその次期に、ハミングヘッズさんから「米国の代表を勤めてもらえないか」との打診があり、そこから超多忙な日々に突入したのです。


私は、ずっと、有り難いことに多くのお客様に恵まれて、海外からソフトウェアを輸入する形のビジネスをしてきました。
心の中には、「いつか From Japan to the world をやってやる」という思いがあったのですが、いかんせん、もはや自分に開発力はなく、諦めかけていた時に、降って沸いたような話でした。

先方の O 社長とも、一、二度じっくり話をしただけで意気投合し、即刻 GO がかかり、 引き返すわけにはいかない。

しかし、そもそも同社の海外対策がどのレベルにあり、どういう状況かの情報もない。その話があった2週間後(5月)には、サンフランシスコでRSA(現在世界一大きな IT セキュリティのイベント)に出展するという。

今思い返すと、まあ、よくそんな無謀なことを、と思う。

その後、6月には単独で、サンフランシスコを拠点にする ISC2 のイベントに参加。Defense Platform のプレゼンを行ってきた。これの準備もキツかったが、ここでのオーディエンスの皆さんの反応の良さに、「いける」という確信を得た。

この ISC2 のメンバーは本当にプロフェッショナルな人たちの集まりで、私の次の人は、iOS の脆弱性について詳細に語り、その内容には私も驚いた。

以下、つづく。。。

2016/01/17
- MK

毎日は無理としても、書きたいことがたくさんあるので、なるべく書きます。